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国際(社会系)総合・新領域

国際(社会系)

国際(社会系)で学ぶこと

「国際(社会系)」は、国境を超えて存在する社会現象や社会問題を扱う領域です。1991年12月のソ連崩壊は、東西冷戦を終結させ、また、それまでイデオロギーによって統一が保たれていた多くの社会主義国家の再編成をもたらしました。こうした動きに応じて、一時期、世界は自由主義・民主主義という方向へ収斂していくのだという主張もなされましたが、現在ではイデオロギーの対立に代わって、さまざまな宗教問題や文化摩擦の問題など、エスニック・アイデンティティに関わる問題が起こっており、それは近代国家の枠組み自体を揺るがしています。非政府組織であるNGOの役割が高まってきているのも、このような文脈で理解できます。こうした現状変化に応じて、国際関係を国家と国家との関わりだけから見るのではなく、個人や地域、民族、宗教、文化など、さまざまな視点から研究しようとするのが「国際(社会系)」になります。

研究のテーマとしては、「冷戦後の国際関係」「社会主義の崩壊」といった問題に加え、文化人類学的なアプローチに基づいた地域・民族・国の「文化の比較研究」、「民族紛争や宗教紛争の研究」、「カルチュラルスタディーズ」などがあります。
たとえば「冷戦後の国際関係」では、第二次世界大戦後、米ソ対立の中で生じた「冷戦」から現代までの国際社会の関係について研究したり、「社会主義の崩壊」では、1980年代末から起こった東欧の民主化革命や、旧ソ連の消滅など社会主義の崩壊がなぜ起こったのかを検証したりします。

「文化の比較研究」では、たとえば「日米文化論」であれば、日本とアメリカの文化の違いを、習慣、宗教、歴史、生活など多方面から考えます。その上で、文化の違いが人々の考え方にどのような影響を及ぼすのかも考察します。

「民族問題の研究」としては、冒頭に挙げたように、現在起こっているさまざまな紛争を、各民族の文化について理解を深めた上で、そこに起こりやすい諸問題を検証します。「宗教問題の研究」では、世界の主な宗教についての歴史や各宗教の文化的特色、宗教の趣旨などを学び、紛争の原因となる諸問題について考えます。

「カルチュラルスタディーズ」とは、単純な比較研究を超えて、各文化・社会のもつ構造的特質に着目した研究です。たとえば、ある社会の男女の支配・被支配の関係をみる場合は、その社会の産業構造特有の労働のあり方なども視野に入れなければなりません。また貧困の問題を考えるにしても、現代の経済構造だけではなく、歴史的な宗主国・植民地関係を知る必要があります。

国際社会が抱えている問題は多数あります。どれも簡単に解決できる問題ではありませんが、時代とともに変貌する国際社会の様相を見据えた上で、問題解決への道を果敢に模索することが求められています。その中で、世界の諸問題について、国家を超えた概念をもって多角的に研究する「国際(社会系)」は、今後の国際社会に新しい道を切り開くための示唆を与えることができる分野として期待されています。

学部・学科選びのヒント

国際(社会系)は、国際関係学部など、国際系の学部・学科のほか、社会学系の学科で学ぶことができます。

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