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情報工学工学

情報工学

情報工学で学ぶこと

情報科学と情報工学は、どちらもコンピュータ=計算機に関する学問という点で共通しています。両者の定義は人によってまちまちですが、ここでは前者をコンピュータ(計算機)の根本原理の研究、後者を現在のコンピュータを発展させるための研究と考えることにします。

情報工学で行われている研究をいくつか紹介すると、たとえばコンピュータが好きな人はJava、Linuxというプログラム言語の名前をきいたことがある(使える)かもしれません。これらはコンピュータが生まれた当時にはなかった言語で、Javaが開発されたことで、オンラインショッピングやオンラインゲームなど、インターネットを通じてできることが飛躍的に広がりました。

コンピュータシステムについて研究する領域では、たとえば1つの仕事を複数の計算装置が分担して行う方法の開発があります。私たちも何人かで仕事を分担する場合、分担の仕方によって効率は大きく違いますし、場合によってはひとりでやった方が早い場合もあります。人はこれまでの経験などで分担しますが、コンピュータにこれをうまく行わせるのはなかなか難しいようです。また、コンピュータが大量に扱う情報をどう整理整頓して使いやすくしまうか(データベース)を考える領域もあります。

コンピュータの使い方の研究トピックスとしては、たとえばウエアラブルコンピュータがあります。現在の携帯するコンピュータの代表は何といっても携帯電話ですが、さらに小型化と軽量化が実現すると、洋服を着る感覚でコンピュータを使うことができるようになります。たとえば眼鏡にコンピュータをつけて、その日見たものを記憶したり分析したりするといった使い方が考えられます。また、現在のキーボードを使うようなコンピュータは、誰もが使いやすい設計とは言えません。そこで体の不自由な人やお年寄りや子どもなど、誰もが使いやすいインターフェイスの研究も進んでいます。バーチャルリアリティの研究もあります。

また、人工知能の研究も活発です。人間は自然にできるのに、コンピュータには苦手な「学習する」「その時の気分で適当に決める」「感情を理解する」といったことをいかにコンピュータで可能にするかは、大きな研究テーマです。

なお、場合によって情報工学に含めたり、電気・電子工学に含めたりする領域に、半導体や集積回路などの研究があります。また、コンピュータは自動車などの乗り物や洗濯機などの家電製品、工場で使う機械の制御など、あらゆるものに利用されていますので、機械工学とも深い関係があります。

情報工学は、現在、もっとも目覚ましく発展している学問のひとつです。将来どんなコンピュータが登場し、それによってどのような世界が実現するのか楽しみです。

学部・学科選びのヒント

情報工学部のほか、工学部や理工学部の情報工学科など、「情報」がつく学科で学ぶことができます。

ほかに、電子工学系の学科では、情報工学のうちハードウエアについて学びます。また、“情報メディア”がつく学科やコースは画像や映像、“情報通信”がつく学科やコースは通信というように、学科やコースの名称は情報工学のうちどの分野に力をいれているかを表しています。

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