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生物学で学ぶこと

ほ乳類、鳥類、両生類、魚類といった動物、木や草花などの植物、ゾウリムシなど小さな生物や、きのこやカビなどの菌類、細菌を含む微生物。地球上にはさまざまな生物が暮らしています。これら生物について研究するのが生物学です。

生物学の研究では、たとえば、生物はどのように暮らしているのかについて研究する領域があります(生態学)。そして野生動物や海にすむ生物、微生物など、その生態が明らかになっていない生物はまだまだたくさんあります。また、「食物連鎖」という言葉をきいたことがあるでしょうか。草食動物は草を食べ、肉食動物は草食動物を食べ、肉食動物は死ぬと微生物に分解されて土に返り、植物の栄養になる、という循環の輪のことですが、このようにあらゆる生物の関わりによって成り立っている自然のバランス(生態系)の研究も生物学の領域です。

そして私たちの体は、食べ物を食べて消化したり、それを栄養にして成長したり体を保ったり、眠ったりとさまざまなことをしています。植物も光合成をしたり、土から栄養を吸収したりしています。こうした体の活動(生理)について研究する領域(植物生理、動物生理)もあります。ほかに、生物の体の形や構造を研究する領域(形態生物学)、地球上でどのように生物が誕生し、今日のような多様な種に進化してきたのかを考える領域(進化生物学)、たった1つの細胞がどのように分裂して大人(成体)になるかを考える領域(発生生物学)もあります。

研究の視点もさまざまで、野生動物の生活を観察するように「集団」のレベルからの視点、生物を「個体」で見る視点、身体の一部の形態や機能を見る視点、体を構成する細胞1つ1つの構造や機能を見る視点などがあります。さらに、細胞は蛋白質などの分子からできていますが、身体を構成する分子のレベルで研究する視点もあります。

遺伝情報を司るDNAの研究は、DNAは4種類の「塩基」という有機化合物でできていますから、分子レベルでの研究となります。この、分子レベルの手法によって、どんな生物にも普遍的な生命の現象を解明しようとする分野を、生命科学と呼んでいます。地球上にはどんな生物がいてどのように暮らしているのか?私たちはどのように進化したのか?なぜ卵から大人になるのか?そうした素朴な疑問に答えるために発展してきた生物学は、同時に農業や、医療や、最近では生物の動きにヒントを得た機械が考えられるなど、さまざまな場面で私たちの生活に役立っています。

学部・学科選びのヒント

生物学でも分子レベルの研究が盛んですから、学部学科選びは生物学科はもちろん、「生命」、「分子生物」といった名称のついた学科を調べましょう。海洋生物について学びたい場合は「海洋生物学科」といった名称の学科を中心に調べましょう。生態系や、環境ホルモンの問題、森林と二酸化炭素の問題などについて学びたい場合は環境関係の学部や学科も調べるとよいでしょう。

なお、人間が食糧や建材などとして利用している生物については、農学関係の学部や学科でも学ぶことができます。

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