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生命科学

生命科学で学ぶこと

生物と生物ではないモノの違いは何でしょう?自分で増殖し子孫を残すことができる、自分で外界から栄養をとりいれてエネルギーに変換できる、細胞をもっている、などの説明がありますが、ウイルスは生物か否か結論が出ないなど、はっきりとした定義はありません。それでも私たちは「生物」というものに対するイメージを共有し、「生物学」という学問分野も成立しています。
はじめ、種や個体、形や目に見える状態や変化の観察などによって研究されていた生物学は、20世紀後半から研究の視点と手法が大きく変化しました。体内の消化や吸収という現象は化学反応で説明され、身体の動きは神経伝達物質という物質が伝わることで説明されるようになりました。私たちの身体を構成する分子の構造が徐々に明らかになり、ついに4種類の塩基という有機化合物がDNAを構成し、私たちの身体の設計図となっていることがわかりました。
つまり、従来の手法に加え、分子という物質レベルで解き明かされる生物学の世界が誕生したのです。このような、生命の最小構成単位である細胞や、生命でなく物質である生体分子(生物の身体を構成する分子)にスポットをあてて、生命の現象を解明しようとする学問を生命科学といいます。
生命現象を分子レベルで捉えることができるようになったことで、わたしたちは生命の世界に大きな一歩をふみだしました。象と大腸菌は明らかに違う生物ですが、細胞内の現象を分子レベルで見れば、生物として共通する現象があります。生命としてのさまざまな基本現象が明らかになることで、生命科学の研究成果は、遺伝子組み換え植物を作って農作物の収穫高を高めたり、新しい薬を開発するなど、さまざまな方面で利用されるようになりました。
そして生命科学からは、その成果を社会に役立てることに重きをおいて研究する「生命工学」が誕生しました。中でも特に遺伝子操作によって行うものを「遺伝子工学」と呼んだりします。
そして生命科学の進展とともに生じたのが、クローン動物に代表される「生命倫理」の問題です。生命科学の発展に、飢餓問題の解決や、再生医療、遺伝子治療など大きな期待がかけられる一方で、かけがえのない命を持つ1つ1つの生物を考えることも、私たちにとって大切なことです。

学部・学科選びのヒント

「生命科学」という名前のつく学科はもちろん、「生物」学科でも生物を分子レベルで学び、研究します。ほかに、応用生命科学科、生命化学科、分子生物学科といった名称の学科や、「バイオ」「ゲノム」の名称のついた学科も見てみましょう。なお、人間が食糧や建材などとして利用している生物については、農学関係の学部や学科でも学ぶことができます。

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