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福祉学

福祉学で学ぶこと

「福祉」とは、「幸せ」という意味です。つまり、福祉学とは、人々が社会の中で幸せに暮らしていくための学問です。その点では、政治学も法学も経済学も同じですが、福祉学では、特に社会的弱者や社会的に恵まれない人がいきいきと自立して生きていける社会の実現に向けて、働きかけていきます。

では、社会的な弱者や恵まれない人にはどんな人々が含まれるのでしょうか?子ども、老人、女性、身体や精神にハンディキャップを持った人々、病気の人、働く意志があっても働けない人や所得の低い人などがいますね。海外に目を向ければ、発展途上国や紛争地域、そこから逃れて国外に出た難民なども社会的弱者でしょう。そして福祉学には、それぞれを対象にした研究領域があります。

アプローチの手法は、法律的にどう解決するか、政治的にどう解決するか--年金や健康保険、介護保険などもこれにあたります--や、心理学からのアプローチ、福祉機器や介護サービス事業など産業からのアプローチ、バリアフリーの街づくりなど社会基盤の整備からのアプローチなどさまざまです。福祉先進国と言われる北欧の国々の福祉制度を研究する分野もあります。福祉は地域に密着して行う必要があるので、地域の事情に応じた福祉のあり方を考えることも大切です。

また、福祉とは何かについて根本的に考えることも大切です。たとえば、「社会的弱者は保護の対象である」という考えから、「守るだけではなく、社会の中で自立できる社会作りが大切」という考え方に変わったり、ユニバーサルデザインという言葉に象徴されるように、身体の不自由な人に特別な物を作るのではなく、誰にとっても優しく使いやすい物やシステムを作ろうという動きも、福祉の在り方への問いかけから生まれたものです。今でこそ当たり前のユニバーサルデザインですが、提唱されたときには新しい概念だったのです。また、福祉学の特徴として、現場が非常に大切であることが挙げられます。人々の生の声を聴き、共感するところから、福祉には何が必要かが見えてくるからです。

学部・学科選びのヒント

学部、学科、さらにコースや専攻、課程を含め「福祉」をキーワードに学べる大学を探しましょう。学科としては「社会福祉学科」が代表的な名称ですが、「福祉経営学科」、「保健福祉学科」、「地域福祉学科」、「福祉臨床学科」、「福祉心理学科」など、福祉に別のキーワードをつけた学科も多くあり、ここからそれぞれ福祉のどの領域に力を入れているかを知ることができます。

また、社会福祉士をはじめとする福祉の仕事に就くには資格が必要なケースが多いので、資格取得を目指す場合は、資格取得や受験資格取得に必要なカリキュラムが整っているかどうかも調べましょう。

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