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経営学

経営学で学ぶこと

経営学とは、主に企業の活動について研究する学問です。そして企業とは、大辞林によると「営利の目的で継続的・計画的に同種の経済行為を行なう組織体。またその活動」とあります。

資本主義による消費社会においては、企業は人々に物やサービスを提供する、雇用を確保する、利益を得て株主に還元するなど、さまざまな重要な役割を担っています。また、企業が倒産すると、社員が職を失うのはもちろん、株主も損失を受けます。それが大企業や金融機関の場合、国を超え世界経済に大きな打撃を与えることもあります。つまり企業がいかにすれば利益を出しながらその活動を続けていけるかについての体系だった研究は、社会の維持と発展、そして企業と無関係ではいられない私たち一人ひとりにとっても、大切なことなのです。また、自治体の財政破綻が生じていることからもわかるように、経営は今日、企業以外の自治体や地域社会にとっても重要なキーワードとなっています。

さて、企業の継続と発展のためには、何が必要でしょうか?たとえば企業は、社員がやる気をもって元気に働くにはどういう人事システムや給与体系、評価制度を作ったらよいかを考えます。組織も、たとえばテレビとパソコンを作っている企業だとすると、テレビとパソコンの2つの部署に分ける、あるいは生産と営業に分けるなどいろいろな組織が考えられます。企業内の誰に意思決定の権限を与えるかも重要です。

また企業は、世の中の人がどんな製品やサービスを欲しているかを分析し、経営に反映させます。いくら売り上げが多くても、経費が多くては、利益はでませんから、どのタイミングで、どのくらいの資金を投じて研究開発を行い、機械などの設備を購入するかを考える必要もあります。工場での生産方法も、ベルト・コンベア式や一人ひとりが製品を仕上げる方式など多様な方法があります。国内で生産するのと海外で生産するのではどちらが有利かを考える、「ブランドイメージ」をいかにして高めるといったことも重要な課題です。

経営学ではこうした経営の要素について、多くの企業の例を調べて分析したり、コンピュータでモデルを作って分析したり、成功例や失敗例の特徴を分析するなどして検証します。そして、よい経営の答えは1つではなく、事業内容や企業の規模によってさまざまです。さらに社会は変化し続けており、それによって企業の経営も変革が迫られます。たとえば長い間日本の企業を特徴づけてきた年功序列型賃金や終身雇用制度はもはや崩壊したと言ってもよいでしょう。経営学は、常に時代の流れとともに生きる学問なのです。

学部・学科選びのヒント

経営学は、経営学部経営学科をはじめとする「経営」の名称のつく学部や学科で学ぶことができます。「経営」以外では「マネジメント」「ビジネス」のキーワードでも、学部や学科を探しましょう。

なお、大学によっては、経営学や企業経営とITについて学ぶ「情報経営学科」や、企業経営でも経営方法に特徴がある「観光経営」「医療経営」「スポーツ経営」など、特定の分野に特化した経営を学ぶ学科やコースを設置している学校もあります。

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