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観光学

観光学で学ぶこと

観光学とは、旅や観光にかかわるあらゆる現象について、文理の枠を超えて多角的に研究する学問です。観光とは、文字通り「訪れた土地の光(優れたところ)を観る」という意味を持っており、その歴史や文化、美しい自然景観、そしてその土地ならではの食や体験を求めて、人々は旅に出ます。

では、なぜ人は旅をするのでしょうか? 観光の歴史的なルーツは何だったのかという文化的な問いから、観光学は始まります。
さらに現代の観光学では、次のような極めて実践的な問いに対してアプローチを行います。

何が新しい観光資源(魅力)となるのか?

地域の魅力を多くの人に知ってもらうための効果的なマーケティングやPR方法は?

観光客が増えることで、地域にどのような経済効果がもたらされるのか?

魅力的な観光ツアーやイベントを企画・経営するにはどうすればいいのか?

急増するインバウンド(訪日外国人観光客)を快適に迎え入れるための体制づくりは?

また、人が一箇所に集中しすぎると、豊かな自然環境が破壊されたり、住民の生活が脅かされたりする「オーバーツーリズム(観光公害)」が現代の大きな課題となっています。こうした課題を解決し、環境や文化を守りながら観光地として成功させる「サステナブルツーリズム(持続可能な観光)」のあり方を追究することも、観光学の重要な使命です。

これらの問いに対して、観光学は社会学、地理学、経営学、経済学、心理学、そして情報科学など、多様な学問の手法を駆使して答えを探ります。

近年では、地方創生や地域活性化の切り札として「グリーンツーリズム」が強く注目されています。これは、都市部の人々が農山村などの自然豊かな地域に滞在し、農業体験や地元住民との深い交流を通じて地域の魅力を体感する観光の形態です。単に名所を巡るだけでなく、地域社会と観光客が双方向に結びつく新しい観光のあり方として研究が進んでいます。

特に現代の観光は、情報テクノロジーの進化によって激変しています。私たちはスマートフォンなどの情報端末を片手に旅をし、リアルタイムでマップを検索し、SNSで現地の魅力を発信・共有しています。観光学の最前線(観光DX)では、この観光客の「移動データ」や「購買データ」を「AI(人工知能)」で分析し、混雑を未然に防ぐルート案内や、一人ひとりの趣味嗜好に最適化されたおすすめスポットを提案する「スマートツーリズム」の研究が急速に発展しています。また、生成AIを活用した多言語でのコンシェルジュサービスや、SNSを通じた観光客と地域コミュニティとの「新たなコミュニケーション」の分析も、現代の観光学には欠かせない重要な要素となっています。

観光学を学ぶことで、地域の光(観光資源)をい掘り起こし、最先端のデジタル技術やAIを掛け合わせながら、持続可能な形で活用する力を身につけることができます。観光を通じて、日本、そして世界中の地域社会の未来を豊かにデザインする、きわめてエキサイティングで可能性に満ちた学問です。

学部・学科選びのヒント

観光学部観光学科などで学ぶことができます。

なお、一口に観光学に関する学部学科といっても、観光とは何かを考えるような理論的なアプローチをとる学部学科や文化人類学に近いアプローチをとる学部学科、観光資源の開発や観光経営など観光業や地域を発展させるためのアプローチをとる学部学科、観光業の一翼を担う旅行会社のツアーコンダクターやホテルのスタッフを目指すなど、業務に必要な知識やスキルを身につける学部学科とさまざまです。自分はこのうち何を学びたいのかを考え、各大学の特徴をよく調べた上で、大学を選びましょう。

なお、観光学の勉強や研究を通して身につけた力は、卒業後観光業以外の仕事に就いても、活かすことができるでしょう。

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