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情報(社会系)総合・新領域

情報(社会系)

情報(社会系)で学ぶこと

現代が「情報化社会」と言われて久しくなります。わたしたちの日常生活は書籍や新聞、雑誌、テレビ、インターネットといったマスメディアが発信する情報であふれており、個人同士も、手紙や固定電話に電子メールや携帯電話が加わって、情報のやりとりのあり方は大きく変わりました。「情報(社会系)」は、こうした現代の情報化社会をとりまくあらゆる問題について研究する領域です。

「情報(社会系)」研究テーマとしては、新聞学やメディア学など、情報媒体についての研究があります。特にマスメディアは世論の形成に影響を及ぼすなど社会的な役割が大きいため、マスメディアの種類ごとの特質や、それらが何をどう報道し、どんな影響を人や社会に及ぼしてきたのか、またそのあり方を問う研究は非常に重要です。また、日常の中の情報には信頼できる情報といい加減な情報、重要な情報とそうでない情報、公式的な見解と個人の感想など、さまざまな情報が混在しています。こうしたあらゆる情報の中から自分にとって必要な情報を取捨選択して活用する、「情報リテラシー」をいかに身につけるかといった研究もあります。

さらに、電子メールや携帯電話、インターネットの掲示板、ブログ、ツイッター(Twitter)、フェイスブック(Facebook)などの新しい情報ツールに関する研究もこの領域です。こうしたツールがコミュニケーションのあり方にどのような影響を及ぼしたかや、インターネット上の情報が人々の行動に与える影響、インターネットの匿名性や課金システムなどを悪用した新しい犯罪の研究、顔文字やギャル文字など新しいツールが産み出した若者文化の研究等々、さまざまな研究テーマがあります。

また、コンピュータの発展は、学問の世界全体にも大きな変化を及ぼしました。たとえば以前は、研究にあたって必要な「情報」は、主に図書館や資料館に整理され、保管されていました。ところがコンピュータの登場によって図書館や資料館の情報のデジタル化が急速に進み、これをどう整理し、進めるかの手法の開発が急務となっています。また歴史学の世界では歴史史料のデジタル化やその整理、法律の世界では法令や判例のデジタル化とその整理、教育学ではパソコンやインターネットをどう教育に取り入れるかについての研究等、あらゆる学問で、その学問に関わる情報をどう整理し、活用するかについての研究が必要となっています。

文字を読み書きできる人が少なく、情報を記録する紙が貴重品であった昔、情報は一部の人のみが手に入れ、発信することのできるものでした。それが現在、インターネットを使って誰もが世界中の情報にアクセスし、情報を世界に向けて発信することができるようになりました。コンピュータのおかげで、誰もが膨大な情報を保有することができるようになりました。それ自体は素晴らしいことですが、情報技術があまりに急速に発展したため、社会も学問の世界も、それを扱うための準備ができていないのが現状です。このため、「情報(社会系)」の研究には、今後一層の期待が寄せられています。

学部・学科選びのヒント

「情報(社会系)」は、経営情報学部など、社会科学系、人文学系の「情報」のついた学部・学科で学ぶことができるほか、情報を研究テーマとした教員のいる社会科学系、人文学系の学部・学科で学ぶことができます。学問の世界の情報については、図書館学関係や、各学問に関連する学部・学科のうち、専門の教員がいる大学で学ぶことができます。

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