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医学で学ぶこと

医学は、私たち人間の疾病や怪我の予防や病気になるメカニズム、治療法などの研究を通し、私たちの命や健康を守るための学問です。そして大学の医学科は、医師を育てるという大きな役割を担っています。

医学科で学ぶ内容は、大きく「基礎医学」と「臨床医学」に分けられますが、まず「基礎医学」は、人間の身体の構造を理解し、身体と病気との関わりについて学習する分野です。人間の身体の細かい部分まで学ぶ「解剖学」や、呼吸をしたり、食べ物を消化・分解して排泄するといった身体が日々行なっている仕組みについて学ぶ「生理学」、病気の原因を解明したり、病状を診断するための「病理学」、治療に欠かせない薬について学ぶ「薬理学」などがあります。

「臨床医学」はさらに、「内科系臨床医学」と「外科系臨床医学」に分かれます。「内科系」では、循環器、消化器、呼吸器などの各臓器、神経系や皮膚などの各組織の仕組みや病気について、治療法や予防法を学びます。内分泌系や骨などで起こっている代謝の仕組みや病気の原因、治療法について学ぶ「代謝学」や、血液の仕組みや病気の原因、治療法について学ぶ「血液内科学」、リウマチや膠原病、アレルギーといった免疫に関わる病気の原因や治療法について学「アレルギー・免疫学」なども内科学の領域です。

「外科系」では、身体の各器官の病気や怪我に対して手術をするなど外科的治療を行うための、具体的な知識や技術を学びます。麻酔に必要な知識を習得する「麻酔学」や、救急医療なども扱います。ほかに「地域医療」についても学びます。

医学研究では、臨床例の研究や、遺伝や発生、免疫といった生命の仕組みの研究などによって、病気になるメカニズムを究明し、新しい治療法の開発に挑みます。

なお医学を学ぶにあたり、決して忘れてはいけないのは、医学は「人間を診る」学問だという点です。患者さんは一人一人がすべて、いろいろな考え方を持って生きている人間です。心を持った人間である患者さんに対して心を持った人間である医者が治療に当たっている、ということを常に念頭に置いておきましょう。

学部・学科選びのヒント

医学を学び医師になるには、医学科を卒業して医師国家試験に合格する必要があります。とはいえ、医師以外で人の健康に寄与する分野はほかにもあります。

たとえばスポーツと医学との関係について学ぶスポーツ医学や、保健衛生関係の学問、工学部での人工臓器の研究、医用生体工学などがあります。また、医学と密接に関わる学問としては、看護学や歯学、薬学、リハビリ・放射線・臨床検査等などの分野があります。

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