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通信工学工学

通信工学

通信工学で学ぶこと

通信とは、遠くにいる人に情報を伝えることで、その方法は人が手紙を運ぶ、のろしで敵の来襲を知らせるなどといったことからはじまり、現在では郵便のほかはもっぱら、有線や無線による電話、インターネット、ラジオやテレビなどによって行われています。このような、現代の通信に関する技術について研究するのが通信工学です。

近年は情報通信技術の発達にともなって大量の情報をやりとりすることが可能となり、また逆に、より大量の情報をやりとりするために次々と新しい技術が開発されています。

研究の例を挙げると、たとえば実際に見たり聴いたりする情報の電波への置き換えや、電波で送られてきた情報の、テレビなどの受像機での復元の研究があります。人の声が分析され、波形で表現されるのをテレビ番組などで見たことがある人は多いと思いますが、これは声の状態がさまざまな電圧に置き換えられて表現されたもので、これを電波にして送るのがアナログ通信です。通信の過程で、山や高いビル、気象条件など電波を乱す要素が入るとノイズが入ってしまうため、これをどうやって取り除くかといった、より高品質の情報を送るための研究は現在でも重要なテーマです。

デジタル通信は、アナログの情報をさらに0と1の信号に置き換えて電波として送信し、受け手はもとの音や画像に戻すものです。現在、よりよい状況で通信するための研究や、高性能のアンテナ、光ケーブルのようにより多くの情報を早く送ることのできる素材の開発、携帯電話のアンテナをどれだけどこに立てればよいかを検討するような中継地点の研究、インターネットで個人情報など重要な情報をやりとりする際に安全を確保したり有料の衛星放送やケーブルテレビなどで契約者だけが見ることができたりするようにするための暗号研究など、さまざまな研究が行われています。

また、携帯電話も、当初電話と電子メール機能だけだったものが、iモード、静止画像、動画と、新しい機能が次々と加わっていったことは、ご存知でしょう。さらにスマートフォンの登場によって、その進化のスピードはさらに速まっています。これらも、通信工学や関連学問の成果によるものです。現在は、外出先の携帯電話でエアコンなどの家電製品のスイッチを入れたり切ったりできるような技術も実用化されていおり、家電製品をネットワークでつないで一ヶ所で管理するような技術開発も進んでいます。こうした技術によって、将来、より便利な生活が実現していくことでしょう。

学部・学科選びのヒント

情報通信工学科など、情報工学関係の学部や学科で学ぶことができます。

特に、「通信」や「ネットワーク」という名称のつく学科やコース、専攻では、通信に関する授業や研究が充実しています。また、多くの電気・電子工学関連の学科でも、通信工学を学べます。

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