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考古学

考古学で学ぶこと

考古学とは、人類が過去に残したあらゆる“物”の研究を通して、人類の歴史や文化について研究する学問です。歴史学も人類の歴史や文化について研究しますが、歴史学では文字として残った史料を通して研究するのに対し、考古学では物を通して研究するという点で異なります。

また、考古学研究というと、日本では縄文時代や弥生時代の遺跡や土器、世界ではエジプトのピラミッドやミイラとその副葬品などがすぐに思い浮かぶのではないでしょうか。そして、歴史学より考古学の方が古い時代を扱うという印象もあるかもしれません。確かに時代が遡れば遡るほど文献資料は少なくなりますので、歴史学ではなく考古学から歴史が解明される部分が大きいでしょう。

しかし、考古学では古い時代に限らず、日本で言えば鎌倉時代や江戸時代、さらには第二次世界大戦時に日本軍が使った洞穴の研究など、新しい時代についての研究も行われています。 考古学の醍醐味としては、ひとつには物を通して明らかになった事柄を繋ぎあわせ、昔の社会や生活を解き明かすというロマンがあるでしょう。また、歴史学がアプローチする史料は、昔、文字は政府や社寺など限られた階層が独占していたため、普通の人々の生活は文献史料に残りにくいという弱点をもっています。そこで物の研究を通して、文字として記録に残らなかった人々の社会や生活の様子を浮かび上がらせることも、考古学研究の魅力です。

研究方法の第一はやはり発掘です。過去の遺跡を発掘するところから考古学は始まり、そして出土した遺構や遺物について、出土した地層や形などの特徴、先行研究との比較などを通して時代を確定します。発掘や年代測定、素材の分析にあたっては、放射性炭素による年代測定など、科学技術の成果も取り入られています。

学部・学科選びのヒント

多くは、歴史学科や人文学科などに考古学専攻やコースが設置されています。

考古学の研究手法や基礎はどの大学でも学べますが、大学によってエジプトなど海外を得意とする大学、日本の縄文時代や弥生時代を得意とする大学、奈良時代や平安時代を得意とする大学、江戸時代など比較的新しい時代の研究にチャレンジしている大学などそれぞれ得意分野があります。「ピラミッドの研究をしたかったのに、その講座がなかった」などということがないように、どの地域や時代の研究を中心に行っているか調べた上で大学を選びましょう。

また、夏休みの長期休暇などを利用して学生が発掘の手伝いなどに参加できる大学もありますので、そうした制度があるかどうかも調べてみましょう。

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