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情報(生命系)系
情報(生命系)で学ぶこと
学部・学科選びのヒント
「情報(生命系)」は、生命科学、生命工学、薬学、神経科学関係の学部・学科で学ぶほか、情報科学や情報工学の学部学科に進んでコンピュータに関する知識と技術を身につけたのち、大学院などで生命科学関係に進み、応用研究を行う道もあります。
「情報(生命系)」は、生命科学、生命工学、薬学、神経科学関係の学部・学科で学ぶほか、情報科学や情報工学の学部学科に進んでコンピュータに関する知識と技術を身につけたのち、大学院などで生命科学関係に進み、応用研究を行う道もあります。
1953年、ワトソンとクリックによるDNAの「二重らせん構造」の発見に端を発した遺伝子の研究や、生物の体を分子レベルで捉える分子生物学の進展は、生命科学の世界に革命をもたらしました。生物の形質がDNAに記録された「遺伝情報」によって受け継がれていく仕組みや、脳からの指令が神経回路を通じて電気信号や神経伝達物質によって伝わる仕組みが解明されたことで、複雑な生命現象の多くが「情報の伝達と処理」のシステムとして理解されるようになったのです。
これらの研究は主に生物学や生命科学、神経科学の領域で発展してきましたが、生命現象を情報のシステムとして捉える視点と、コンピュータの劇的な進化が融合したことで、生命科学はコンピュータサイエンスと極めて相性の良いものとなりました。このように、生命現象をコンピュータやAIを使って解析し、深く理解しようとするアプローチ、あるいは逆に、生命の優れた仕組みをヒントにして革新的なコンピュータ技術やAIの開発に応用する学問が「情報(生命系)」です。
具体的な代表例が「バイオインフォマティクス(生物情報科学)」と呼ばれる領域です。ここ数年、深層学習(ディープラーニング)をはじめとする最先端のAI技術の導入により、この分野は爆発的な進化を遂げています。たとえば、膨大な遺伝情報(ゲノムデータ)の解析や、かつては不可能とされていた「タンパク質の複雑な立体構造」の超高精度な予測がAIによって可能になりました。これにより、細胞内の受容体に的確に作用する分子をコンピュータ上でシミュレーションして探索するなど、がんや難病の治療に向けた画期的な新薬の開発(AI創薬)や、一人ひとりの遺伝子に合わせた個別化医療(精密医療)の実現に大きく貢献しています。
また、生命からコンピュータへの応用研究も非常に活発です。人間の脳の神経回路をモデルにした仕組みは「ニューラルネットワーク」として現在のAIの基盤となっており、人間の脳のように自律的に学習し判断する次世代AIの研究へと受け継がれています。さらに、生物のDNAが持つ圧倒的な情報蓄積能力や複製の仕組みを応用し、従来の半導体とは全く異なる超省エネ・大容量の「DNAストレージ」や次世代の計算機を開発する研究など、生命科学と情報科学の境界線を超えた挑戦が続いています。
生命科学の21世紀は、ヒトゲノムの解読完了によって幕を開けました。そして、得られた膨大な生命のビッグデータをAIとともに読み解き、医療、環境、食糧問題といった人類の課題解決へ具体的に社会実装していくステージへと進んでいます。「情報(生命系)」は、デジタルとバイオが融合する未来を切り拓く、最もエキサイティングな新領域分野のひとつです。