臨床工学学科
定員／40名（男・女）
修業年限／３年
「医学」×「工学」で現代から次世代への高度医療を支える
医療機器のスペシャリストを養成
臨床工学技士は国家資格です。医師の指示の下、生命維持管理装置（人工心肺装置、人工呼吸装置、人工透析装置）などの高度で複雑な医療機器の操作・保守・点検を行う仕事です。
近年の医療技術の発展により医療現場では次々と新しい医療機器が導入されています。このような状況において、医学と工学の知識を兼ね備えた臨床工学技士は「安全な医療」を提供する専門家として必要とされています。
３年間のマナビ
１年次 医学の基礎を学ぶ
将来、医療現場の最前線に立つ者としての倫理観、医学の基礎となる人体の構造と機能や疾患について学びます。また、医学・工学の基礎となる数学、物理、化学等の理系基礎科目を高校レベルから行います。電気工学、電子工学を学び、工学の基礎固めをします。
２年次 専門的な医療を学ぶ
1年次に学習した医学・工学知識をもとに生理学や薬理学、機械工学などさらに知識を深めます。臨床工学技士が医療現場で扱う医療機器の仕組みや構造などの専門的な知識を校内実習を通して学びます。
３年次 臨床実習・国家試験対策
医療機器を使用した学内実習で実践力を養い、実際の医療現場において手術室や集中治療室、透析室などで臨床実習を行います。また、臨床工学技士国家試験への対策を徹底的に行い合格を目指します。
取得受験資格
臨床工学技士は、医師、看護師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士等と同じく医療系国家資格です。
近年の医療技術の進歩は目覚ましく、それを支えているのが医療機器です。医療機器の進歩とともに多くの患者さんの命が救われるようになりました。しかし、それらの医療機器は発達すると同時に複雑で専門的なものになり、安全な医療を提供するためには、様々な医療機器を正確に操作できる人材が必要となりました。このような背景から、医療機器を安全かつ適正に扱うことができる専門技術者の必要性が高まり、1988年に国家資格として『臨床工学技士』が誕生しました。
取得受験資格
臨床工学技士（国家資格）
目標資格
第１種・第２種ＭＥ技術実力検定
活躍の場
臨床工学技士として働く多くの人は病院内で活躍しています。しかしながら病院以外の様々な場所で活躍する臨床工学技士も多く存在しています。例えば医療機器メーカーや治験業界では、医療機器について多くの知識と経験を持つ臨床工学技士のノウハウが重宝されます。またDMAT(災害派遣医療チーム)の中でも医療機器の操作・点検のほか、震災などで病院が被災した地域では透析患者の受入れや医療機器の管理なども行います。さらに病院に救急で運ばれてくる患者さんを救急救命センターであらゆる医療機器や生命維持管理装置(人工呼吸器・PCPS・IABP・ECMOなど)を駆使して治療を進めたり、ドクターヘリ・ドクターカーといった病院外で医療機器の保守管理を行うなどあらゆる場面で活躍しており、今後医療が発展するほど活躍の場が広がっていくと多くの期待がかかる医療職種です。
人工心肺装置を用いた業務
臨床工学技士は手術室など医療現場の最前線でも活躍します。 心臓の手術を行うには一時的に心臓の動きを止める必要があります。その時に使用する人工心肺装置は心臓と肺を代行する装置です。手術時間中（６～８時間）人工心肺装置を操作し、患者さんの命を守る臨床工学技士は手術室に欠かせない存在です。
人工呼吸装置を用いた業務
事故などによる呼吸停止や手術により自力で呼吸のできない重症の患者さんに対し、人工呼吸装置の装着、異常がないかの確認など、様々な医療機器を操作し、生命維持管理を行います。また、緊急時の使用に備え人工呼吸装置のメンテナンスも行います。
人工透析装置を用いた業務
近年、日本人の食生活の欧米化などが原因で糖尿病患者数が増加し、糖尿病が原因で腎臓を悪くしてしまう人の数も年々増加しています。腎臓の機能が低下すると体内に溜まった毒素を排泄できなくなるため、透析治療を行わなければなりません。臨床工学技士は透析装置の準備、操作を行います。また、透析中は時間ごとに患者さんの状態及び透析装置を点検し、安全に透析が行われているか確認します。
医療機器を管理する業務
近年、医療機器は目覚ましい発展を遂げており、高度な医療機器を正しく操作することで多くの命が救われます。しかしながら昔と比べ医療機器の操作も複雑になり、誤った操作を行うと、逆に患者さんの健康を脅かす恐れもでてきます。そこで、臨床工学技士が病院全体の医療機器を集中管理し、保守・点検を行い、病院内の安全性を確保します。
